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皆川夏樹

登別市新生町、くさぶえ公園に、バスケットゴールを設置しよう。


2024 年12 月23 日更新

 ・・・という運動を、この1 年半ほど、ひっそりと行っていました。


 2024 年9 月から11 月末まで、くさぶえ公園に、バスケットゴールが一つ、市がどこかからレンタルしてきて、試験的に設置され、11 月末に撤去されています。

 この2ヶ月ほど、ほぼ毎日、公園にぷらぷら行って、ちょっとシュート打ったり遊んだり、してました。ゴム製ですが、 バスケットボールも一個寄付して、ポリバケツに入れてゴールに結んで、誰でも使えるようにしておきました。結構子供らや、おじちゃんおばちゃんなんかも使ってるようで、とても嬉しかった。


 町内会長さんとお話をすると、近年は、草ぼうぼうになって大変だ、など言っておられましたが、毎日子供たちが来て使っていれば、設置したゴールの周辺は、丸く、草も生えずにちゃんときれいになっているもんだ。


 市の方からは、撤去後の連絡もほとんど頂けず、こちらから連絡しましたが、特に「迷惑!」との声もなかったようで、とすると、今のところは、(お許しが出れば)来春になったら、自費で「本物」のゴールを設置しよう、と思っています。できれば、ちょっとでも「整地」などして、2 つゴールを入れて、遊びでも、ゲームができるようにできたらいいな、など、夢は広がります。そのうち、青葉小学校に近い方の公園にも、入れられたらいいな、など、さらに夢は広がります。



 以下、室蘭民報さんに、寄稿するつもりで書いた、この間の経緯、載せてもらえなかった分を掲載します。

 バスケットボールファンの地元の皆さん、地元外の皆さん、来春に期待して、応援して下さい。もし可能なら、ゴールやボールを買うお金も、ちょっとでもご協力をお願いします。



誰のための公園か


  • 【1】 公園は子供の遊び場ではなくなった / くさぶえ公園にバスケットボールコート

    を作れないだろうか


 もう何十年も前から気づいてはいた。公園が、がらんとしている、と。

 今では皆高校生以上になってしまったが、私の子供3 人は富岸小学校/緑葉中学校、に通っていたので、両校の周辺のことはよく見てきた。富岸公園にはいつも子供がたくさんいて、昔ながらのように遊んでいた。大きな遊具もあったし、バスケットボールやテニスの練習ができるフェンスに囲まれたコートもあった。しかし、自宅の近所にある、のびのび公園(0.55ha)や、くさぶえ公園(0.25ha)は、いつ通っても、ほとんど子供の影は(大人の影も)なかった。0.55ha、と言えば、100m×50m、あるいは、70m×80m、くらい、結構広大である。0.25ha の方だって、40m×60m、くらいだ。こんなだだっ広い空間が、町中にいくつもあって、でも閑散としている。そのくせ、くさぶえ公園から3 件ほど隣のおうちでは、自宅の玄関前にバスケットゴールを備え付けて、小学生5-6 人が、道路でバスケットをしている。まあ、ほとんど車が入ってこない道なので、「概ねは安全」、なのだろうが、すぐ近くに広い公園があるのに、わざわざ道路で遊ばなくても、とは思ってしまう。


 私は今年還暦。ずっとバスケットボールを愛してきたが、股関節もすり減って、左足が挙げられず、靴下も自分では履けなくなってきた。悲しいことに、バスケットどころではないのだ。でも、自分ができなくなったから、といって、子供もできなくてもいい、という大人にはなりたくない、なりたくなかった、はずじゃあないか。


 なぜ、町内の公園には子供がいないのか。公園で遊ばずに、自宅前の道路で、あるいは家の中でひっそりと遊ばなければいけないのか。


 公園で、バスケットボールをしてもいいんじゃあないのか。公園にバスケットゴールが、コートがあってもいいんじゃあないのか。


 そう思ったわけである。


 一応、お題目を唱えておくと、私は医者を生業としている。今は、訪問診療、といって、主に通院が困難な高齢者のご自宅を訪問して診療するのが主だが、スポーツドクター、ということもやっている。子供、若者は、体を動かして、運動・スポーツをすることが望ましい、

 それが、健康で長生きすることにもつながることは、論を俟たない。スポーツをすることを側面から支援し、その環境を整備することもまた、私の責務の一端、と思うわけだ。

 まず、いくつかの同じような町中の公園を見て回った。皆さんご承知だろうが、市が設置したと思われる看板、但し書きがあって、ボールを使うこと、や、犬の散歩、花火、などはしてはいけない旨が書いてある。ごく小さな公園もあって、すべての公園に但し書きがあるわけではないようだが、少し広い公園にはまずある(実は、ここ最近でこの但し書きの内容は少しずつ変わっている。市に問い合わせると、「ボール遊びが全部いけないとは言っていない」、という返事です。危なくなければいい、ということなのだとか)。


 最近は、おそらく危険だから、ということなのだろうが、昔あった遊具も次々となくなっている。ジャングルジム、とか、うんてい、はもうだいぶ前から見ないし、ブランコや滑り台もどんどんなくなっている。自分の子供の頃には、小学校の校庭に、「回旋塔」なる遊具があって、それはそれは熱狂したことを覚えている(上図)。勢いがつき過ぎて手を放して吹っ飛んですり傷など作るのは当たり前だった。今の子どもに許されるわけはないのだろうな。


 こうして、ボール遊びはダメ、遊具はなくなる、で、公園はただの空き地、草っぱらとなり、子供らは遠ざかり、いっそう公園には誰も立ち寄らなくなる。


 さて、バスケットボールコートを作りたい、作ってほしい、と言って、まずどこに駆け込むか、と考えれば、どうやらやっぱり、公園を管理しているのは、市役所、それも、公園課、というところがある。とりあえず、公園は「誰の土地か」と考えた時には、まずこちらに問い合わせるのが筋なのだろう、と思い、もう1 年近く前になるが、2023 年の9月に、要望書を書き上げて、市役所3 階の公園課に直接出向いてみた。私の住む新生町3丁目界隈の、

 くさぶえ公園、や、のびのび公園、に、バスケットコートを作れないでしょうか。

という要望書である。



【2】 市役所公園課の対応 / 要望を役所に届けるための方法論


 思い出してみるに、公園課では、こういう一般の要望を受け付ける、ということは、ほとんど経験がなかったのだろうな。そもそも公園課は役所の3 階。一般人はおいそれとは立ち入らない。1 階にふつうにみられるような、窓口、受付、といった場所はあるようなないような、一番近くにいた若い職員の方に声をかけると立ってきて話を聞いてくれたが、どう対応してよいか明らかに困惑しており、おそらくは奥の方にいる上司との間を何度も行き来した結果、わたしが記憶しているのはそれだけなのだが、「個人でこうした要望を持ってこられても受け付けようがないので、『町内会』の名前で持って来て下さい」と言われたことだけだった。

教訓1:(少なくとも公園課では)個人的な「要望」は受け付けられない。「町内会」の単位が重要である。

 実は、くさぶえ公園というのは、地図上では境目にあって、新生町1 丁目に属するのか、3 丁目に属するのか、はっきりしない。公園課でも調べてくれたが、どちらの管轄とも言い難い、わからない、らしい。それでもとにかく、「町内会」が大切であるのだ!ということなので、3 丁目の中山会長、1 丁目の大屋敷会長のお宅にそれぞれ出向いて、要望のご説明をしたところ、お二人とも、公園で子供が遊べるように、という趣旨については全面的に賛同下さり、特に、中山会長は新生6 地区の連合町内会の会長でもあるとのことから、素晴らしい行動力を発揮して、程なく6 地区町内会長すべての合意を取り付けて下さった。


 私は、意気軒昂、6 地区町内会長の連名を頂いた要望書を持って再度公園課を訪ね、要望書をお渡ししようとした。しかし、今度は先方も対策を練っていたのだろうか、「これは、町内会長の連名、ではあるが、周辺住民の同意は得られているのか、公園でうるさくしたりすると、迷惑を受けて役所に電話をかけてきたりするのは、公園周辺の住民の方である。周辺住民の同意がなければ困る」と言ってきた。私としては、そもそもそうした問題は、要望書を受け取ってもらった上で、話し合って解決を目指していくもの、と思っていたし、大体が、周辺住民、といっても、公園をとりまく何軒の方に同意を得ればいいのかも明確ではないものだし、だからこそ、町内会長にそれを代表して署名を頂いたのではなかったか、など反論したが、まったく聞き入れては頂けず、またも「差し戻し」となった。苦情には対応するが、要望には対応できない、ということだ。


 この時点で、いや、実を言えば最初の面談時から、あ、こりゃ、役所さんとしては面倒ごとなんで、とにかく受け取らないようにしてるんだろうな、と私は感じたので、別口のアプローチも考えないといけないな、と思い始めていた。


 町内会長さんともあらためて相談をしたところ、「登別市長と町内会の定期的な地区懇談会というのがあるので、その場で市長に直接アピールする場を設けてやる」との有難いお言葉。こちらは10 月末に参加させて頂いた。

 それとは別個に、こういうケースはやっぱり市会議員さんだろう、と思い、スポーツ関連に造詣の深い、宮武祥子議員に連絡をとったところ、議会に挙げるためには「請願」という手段がある、ということで、色々ご教示を頂き、正式に登別市議会に、請願を出した。

 同時に、公園課からの「周辺住民の同意を」という要求に応える方法の一つとして、町内会、さらには、バスケットボール愛好団体などに働きかけて、最終的に1,000 人を越える署名を集めた。


教訓2:要望を挙げるための方法論/①役所担当部署に直接/②各町内会と市長との懇談会/③市議会を通じて「請願」/④署名運動

 請願については、以前に記事にもなっているし、この間のそれぞれの細かい事情については割愛するが、最終的に、2024 年6 月、公園課と新生町内会長・千代の台に新設されたもみのき子供園園長との意見交換会を経て、ようやく、くさぶえ公園にバスケットボールゴールを設置する?という方向での話し合いが始まることとなった。私としては、上記①~④の、何がどう功を奏したのか、は藪の中なのだが、推測するに、請願、から、市議会経由で公園課に、なんらか対応するよう指示はあったのであろうし、そのことは一番大きかったのではないかとは思う。個人的な要望書は、結局のところ、公園課に「受理」されることはなく、請願のあとであらためて提出しに行った際に「それはもういいです」と言われたからね。受理してほしかったけどな、個人でできることの限界も感じざるを得なかった。



【3】 子供を外で遊ばせないのは大人である / 役所にはお金がない


 ここまで書いてきてちゃぶ台をひっくり返すようでなんだが、本音を言えば私は、バスケットボールコートみたいに、公園に立派な施設を整える必要はないんじゃないかと思っている。自分が子供の頃は、みんな草野球をしていた。立派なチーム、ユニフォームなどもちろんない。隣のクラスと話が折り合えば、さあ、今日の放課後は神社の裏の林で草野球、だったし、長嶋さんの引退試合は友だちが住む団地の庭でゴムボールで4 対4 の野球をしながら、長嶋さんの打席だけお母さんに呼んでもらってみんなでテレビを見た。強烈に覚えている。工場の跡地に、塀を乗り越えて忍びこんで野球をしたこともあった。それでもみんな、怒る人は(ごくたまにしか)いなかった。怒られたらそれこそ、蜘蛛の子を散らすように逃げた。子供は今よりももっとたくさんいただろうし、きっと子供の声は今よりもっとやかましかったに違いないだろうが、文句を言う人は(ごくたまにしか)いなかった。と思う。子供なんざぁ、立派な設備なんてなくても、勝手に遊ぶ。大人が寛容でありさえすれば、ということじゃあないのか、と思う。


 もちろん、「周辺住民」の中には、うるさい、と感じる人もいるのだろう、と思う。それぞれに事情はある。しかし、結局のところ、ボール遊びを、犬の散歩を禁止しているのは、「役所」というわけではなく、周りの大人が役所に苦情を申し立てているからだ。役所は対応に困って、こうして全国的に、「禁止」「禁止」「禁止」の流れがいつの間にかできあがった。「子供の声が少ない」「子供をもっと遊ばせろ」という声を、わざわざ役所に申し立てる人はまあいないだろうからなあ。


 この辺の構図は、ひところ話題になったが、「ぎゃあぎゃあ泣く赤ンぼを、飛行機に乗せるな!」という話と同じようなものだ。自分も、ぎゃあぎゃあ泣く赤ンぼだったのにな。


 それからもちろん、「うちの子は滑り台から落ちてけがした」、「大きい子と遊んで苛められる」、「猫もいる砂場は不潔」、などなど、まさに子育て世代の親ごさんも、公園で「自由に」遊ぶことを敬遠する傾向が、昔よりは明らかに強くなったのだろう。貴重な、大切な子供を、あえて危険な場所にはやりたくない、と。


 とまあ、様々な時代の変化はあるのでしょうが、さて、これだけ子供も少なくなって、このままでは年金もどんどんもらえるあては減るばかりですぜ。そろそろ子供に若者に、寛容になっていいのではないでしょうか、子供、増えませんぜ、と思う次第であります。


 せめて公園でくらい、好きに遊んだっていいんじゃありませんか。

 もう一点、最後にお金の話。今回の要望が行き詰りかかった時点で、私は公園課に、「コート全面、はともかく、バスケットゴール一個作るくらいなら、お金を出してもいいと思っている」旨話をした。実は、事態を好転させた一番の原因はこれだったのではないか、とも思っています。だって、あれだけ紆余曲折があったのに、急に公園課が、「ゴール1 個でいいなら、早く作りましょう」という勢いに、まさに、手の平を返すように「変節」した、ように見えた。いや、私は「ゴール1 個」でいい、と言っているわけではない、最終的にはゴール2 個、コート、まで、協議を重ねたい、と思っているのだが、いずれにしても、お金を出してもいい、と言った途端に、「周辺住民の反対は・・・」など言っていたのは雲散霧消したようにさえ見えた。当たり前のことだが、役所には、そう簡単に自由になるお金はないのだ、ということも実感しました。

というわけで、最後にお願いです。

 まずは、くさぶえ公園に、バスケットゴールをひとつ、から始めたいと思います。この先これがふたつになるか、コートまでできるか、フェンスなどもできるか、どうなるかはまだわかりません、が、公園が、子供の、若者の遊び場として蘇るための、いやもちろん、大人、高齢者にとっても、皆が集まる場所として蘇るための象徴として、バスケットゴールをひとつ、作れるといいな、と思います。


 今後、私は別途、お金を集める算段をしていく(私も出しますが)ことにもなりますので、その点についてもご協力をお願いいたします。そしてそれ以上に、皆さんそれぞれの町内の公園についても、その活用について、議論を重ねていって頂ければと思います。

教訓3:まずアプローチしないと、そしてアプローチを継続しないと、要望は拾われない。それから、役所にはそうそうお金はない。

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