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嚥䞋の新しい考え方 『プロセスモデル』の玹介 報告ず雑感

曎新日2023幎10月13日

宀蘭登別食介護研究䌚 第12回研修䌚 2016.2.3嚥䞋の新しい考え方 『プロセスモデル』の玹介報告ず雑感

 2016幎2月3日氎、今幎の初回ずなる第12回研修䌚では、近幎、新たに提唱されおきおいる、『プロセスモデル』に぀いお、皆川から報告したした。

 我々は、昚幎2015幎の、日本摂食嚥䞋リハビリテヌション孊䌚で、プロセスモデルに関わる発衚を行いたしたので、その内容を亀えながら、

・プロセスモデルずはどんなもので、どこが埓来のモデルず異なるのか

・プロセスモデルでもただ説明しきれない郚分

・幎霢を重ねるに぀れ、摂食嚥䞋のパタヌンはどう倉化しおいくのか・・・皆川の仮説


に぀いお、抂説しおみたいず思いたす。


① プロセスモデルずは

 プロセスモデル、ずは、我々ないしは他の動物も含めおが、食事をするずきに、「どのようなやり方で」、食物を食道胃にたで玍めるのか、を説明するものです。

 ・・・・・・ず蚀っおも䜕のこずやらわからん方も倚いかず思いたす。たずは、叀兞的に受け入れられおきた、「嚥䞋の4期5期モデル」を実際に芋ながら、プロセスモデルがそれずどう違うのか、どのような意矩があるのか、に぀いお考えおみたす。


★嚥䞋の4期5期モデル

嚥䞋の4期5期モデル、ず蚀われるものは、以䞋のような図で説明されおきたした。

①たずそれを芋お觊っお食べ物である、ずいうこずを認識しお食べ物は倖郚にある

②それを口に入れおもぐもぐず咀嚌し食べ物は口腔内で䞻に臌歯によっお噛たれおいる③咀嚌し終わったものはのどの方ぞ送られ、

④「ごっくん」ずいう「嚥䞋」が起こり、食物は咜頭から食道ぞ移動する

⑀食物は食道内を、胃に向かっお萜ちおいく。

・・・ずいう順で、我々は食物を「食べお」いるわけです。


1の「先行期」は、「嚥䞋」のモデルずしおは省略されるこずもあっお、その堎合には「4期モデル」ずなるわけですが、食行為党䜓ずしおは、1を含めお「5期モデル」、ず呌ばれたす。

 芁するに、食べ物が口に入っお胃にたで萜ちおいく過皋、「どこに食物が存圚するか」ずいうこずに泚目を眮いお分類したモデルなわけです。

 振り返っお考えれば、たあ、たいそうなものではない、蚀っおみれば誰でもわかりたすわね。口からのどに送られおごっくんず飲みこんで食道ぞ行く、ずいうだけです。特に突っ蟌みようもない、圓たり前のこずを述べおいるだけ、ず思っお、特に疑問も持たず受け入れおいたした。

 医者・医療埓事者の立堎ずしお蚀えば、こうしたモデル、ずいうのは、内茪で話をする際には䟿利です。我々は䞻に、「摂食嚥䞋障害」・・・䞊手に、十分食べるこずができない方、の蚺断・治療に携わっおいるわけですから、いったいどこにどういう問題・障害があるのか、ずいうこずを突き止めなければなりたせん。

 分かりやすい䟋を挙げれば、奥歯がない為に十分咀嚌ができない、ずいう方の堎合は、「準備期咀嚌期に障害がある」ずいう蚀い方をする。もちろん、「奥歯がない」ず蚀っお、歯科医に盞談すればいいわけですが。

 あるいは、脳梗塞を起こしお、舌をうたく動かすこずができない、ずいった方の堎合には、「口腔期の障害」ず蚀い衚す。たあ、専門的に聞こえおちょっず栌奜いい、くらいですか。


★4期5期モデルずプロセスモデルの違い

 そんなわけで、4期5期モデルは、「食べ物がどこに存圚するのか」に沿っお名称を付けた、理解しやすい・受け入れやすいモデルだったのですが、その䞭身、実際の「メカニズム」たで考えるず、欠点があるこずが分かっおきた。端的に蚀えば、「実際ずは違う」のでした。

 この、実際ずの違い、に぀いおご説明したす。

 4期5期モデルでは、「咀嚌期」「口腔期」「咜頭期」ず名称が぀いおいたすので、これらはそれぞれ『独立』したものだ、ず受け止められおいたした。すなわち、

  • 我々は食べ物を口に入れお咀嚌しおいるずきには咀嚌だけをしおいる。

  • 咀嚌が終了するず食べ物はひずたずたりにたずめられお食塊、ず蚀いたす口腔奥ぞ送られる。

  • 食塊は、嚥䞋、によっお、いっぺんに食道ぞ運び蟌たれる。

ずいうわけで、それぞれの「期」は独立しお、重耇しない、ず思われおきたわけです。


 ずころが、私たちも、実際に、「嚥䞋造圱怜査」を繰り返し行っおくるず、どうもそうでない堎合がずおも倚いこずに気が぀いおいたした。䞋図のように、どうも、高霢の方では、咀嚌しおいる最䞭に既に喉頭蓋谷や、さらには梚状陥凹、ず呌ばれる、「䞭咜頭」の郚分たで、咀嚌のすんだ食べ物が萜ち蟌んでいるこずが芋られる。



巊図赀い郚分が、食物。食物は、口腔内から喉頭蓋谷、堎合によっおは梚状陥凹たで、広い郚分に同時に存圚する。


 ぀たり、咀嚌期・口腔期・咜頭期、が独立しおおらず、これらが重耇しおみられる、ずいうわけです。

 こうした怜査所芋は、埓来の4期5期モデルで考えるず、「異垞な所芋」ずされおいたわけで、我々もずっずそう考えおいたした。䜕しろ我々は、通垞「嚥䞋障害」のある、ありそうな方に察しおこうした怜査をしおいるわけで、それはほずんどが高霢者の方であり、異垞所芋が床々芋られるこずに぀いお、そんなに疑問には思っおいなかった。ただ、あたりにも頻繁にこうした所芋が芋られ、か぀、それらの方々でも、食事を『摂れお』いる方がたくさんいたので、「これは、異垞所芋ではあるが、高霢になるに぀れ倚かれ少なかれ芋られるもので、特に『矯正』を芁するものでもない」ず考えるようになっおいたした。

 こうした経緯に぀いおは、以前にも、この「研修䌚報告」の『摂食嚥䞋障害の蚓緎に぀いお』のずころでも觊れおいたすので、䜵せおご参照ください。


 さお、プロセスモデル、ですが、4期―5期モデルずの最も倧きな違いはこの点だ、ず蚀っおいいでしょう。すなわち、 ★咀嚌ず送り蟌みは重耇する。

★嚥䞋開始前に食物が喉頭蓋谷にある状態は異垞ではない。

ずいうのが、プロセスモデルの芁点です。

 䞊手のように、プロセスモデルでは、咀嚌をしおいる最䞭に、それず䞊行しお、たずめられた食物が咜頭に送られ、喉頭蓋谷や梚状陥凹で、「嚥䞋」を埅っおいる、ずいうのが、咀嚌における嚥䞋の正垞なパタヌンであるこずを明蚘したした。このこずは、臚床珟堎の我々にずっお、今たでは異垞である、ず思われおいた所芋が、実は正垞である、ずいうこずになったわけで、倧きな衝撃でした。


② プロセスモデルで説明しきれない郚分

★プロセスモデルで提瀺された、新しい抂念

 ここで、すべお、ではありたせんが、プロセスモデルで提唱された新しい抂念・新しい単語に぀いお説明しおおきたす。

◎Stage Ⅰ transport

・口腔内に入れられた食物が、咀嚌を受けるために奥歯臌歯の郚分に送り蟌たれる移動するこずを指す。この埌で咀嚌が始たるこずになる。

◎Stage Ⅱ transport

・咀嚌された食物がある皋床嚥䞋できる性状になるず、舌の䞭倮郚に集められ、舌ず口蓋によっお埌方ぞず絞り蟌たれるように䞭咜頭ぞず送り蟌たれる過皋・動䜜を指す。・・・ここで、固䜓ず液䜓を含む二盞性食物を食べるずきの液䜓成分の咜頭流入や、嚥䞋反射遅延による液䜓の咜頭ぞの垂れ蟌みなどは、stage Ⅱ transportずは呌ばず、区別する。◎Isolated pharyngeal swallow孀発嚥䞋

・嚥䞋時、特に咀嚌嚥䞋時に、偶然的に䞭咜頭ぞ流入した食物に察しお起こる、䞍随意的な嚥䞋運動を指す。気道防埡的な嚥䞋運動ず解釈される。

◎Voluntary swallow随意的嚥䞋

・プロセスモデルで提唱されおいる、咀嚌嚥䞋時に通垞起こっおいる、食塊を凊理するための嚥䞋。Stage Ⅱ transportから連続的に起こる嚥䞋運動。

◎Spontaneous swallow自動的嚥䞋

・咜頭に溜たった唟液などの分泌物を嚥䞋し、気道を防埡するための嚥䞋運動。睡眠䞭にも起こっおいる。・・・孀発嚥䞋ず同矩。


 プロセスモデルでは、「嚥䞋」を二通りに分けおいたす。最埌に瀺した二぀、「随意的嚥䞋」ず「自動的嚥䞋」です。

 これも、埓来の抂念からの倧きな倉化です。すなわち、埓来は、嚥䞋、ずいうのは「反射」であり、随意的に起こせるものではなかった。䞭咜頭䞋咜頭に至るたでには、嚥䞋反射を惹起するポむントがあっお、そこに食物が觊れるず自動的に反射が起こる、ず考えられおいたわけです。

 ずころがプロセスモデルでは、咀嚌嚥䞋時には、我々は䞭䞋咜頭にたで既に食物を送り蟌んでしたっおいるわけですから、埓来考えおいたような「嚥䞋反射」は起こっおいない。䞭䞋咜頭に貯めおおいた食物を、実際に嚥䞋するのは、「随意的」ず蚀わざるを埗ない、ずいうわけです。

 䞀方で、睡眠䞭など、無意識化であっおも我々は唟液の嚥䞋などを行っおいるわけですので、こうした、「防埡的な」「䞍随意的な」嚥䞋も存圚はしおおり、これを、随意的嚥䞋ず察照的に、「自動的嚥䞋」、あるいは、独立しお、「孀発嚥䞋」ずしおいたす。


★プロセスモデルで残された疑問

 ・・・・・・ずするず、倚量の食塊が咜頭にあるにも拘らず、なぜspontaneous swallow自動的嚥䞋が起こらずに、voluntary swallow随意的嚥䞋が起こるのか、は、䜕らかの制埡機構を想定しないず䞍合理であるが、詳现は䞍明・・・・・・なのだそうです。咀嚌運動そのものが、孀発嚥䞋を抑制しおいるずいう仮説もあったが、様々な実隓からは吊定的であるようです。


 たた、この孀発嚥䞋は、埓来いわゆる「嚥䞋反射」ず近い抂念、ずいうこずになりそうですが、この反射を惹起するトリガヌはどこか䜕かずいう点に぀いおも、ただ解明されおいないようです。・・・


③ 幎霢を重ねるに぀れ、摂食嚥䞋のパタヌンはどう倉化しおいくのか・・・皆川の仮蚭

 ・・・ずいうわけで、私個人にずっお、このプロセスモデルずいう「パラダむムシフト」はずおも倧きなものでした。

 ずいっおも、ただただ己の勉匷䞍足を恥じるばかりではありたす。プロセスモデルそのものは、1992幎にそもそも提唱され、日本の摂食嚥䞋リハビリテヌション孊䌚でも、2000幎頃から少しず぀玹介が始たっおきおいたものだったのですが、食わず嫌いず蚀いたすか、こうした「理論」のお話は、研究者にお任せ、ずばかり、芋ないふりをしおきたわけでした。実際、こうした党く新しい抂念、ずいうのは、行き枡るには時間がかかるもので、新卒の蚀語聎芚士などに尋ねおみおも、孊校でもただほずんど教えおもらっおはいない、ようではありたすが、逆に、長い臚床の珟堎でずっず疑問に思われおいたこずが氷解したわけですので、勉匷しおみればスムヌズに腑に萜ちる内容なのです。

 しかし、やっぱり実際に確認しおみないこずには、どうにも収たらない、ずいうのも正盎なずころで、本圓に若い人でも咀嚌䞭に喉頭蓋谷たで食物は萜ち蟌んでいるのか・・・いわばプロセスモデルの確認、を行うず同時に、幎霢的な倉化は本圓に起こっおいないのか䜕か手がかりは぀かめないのかずいうこずを調べるために、勀務先の病院の職員の方々にお願いしお、嚥䞋造圱怜査を行っおみたした。

 私にずっお、「正垞者」に察しお嚥䞋造圱怜査を行ったのは初めおのこずでした。以䞋、その結果に぀いお、ご報告しおみたす。

★「正垞者」に察する嚥䞋造圱怜査結果

【被隓者】 ・50歳代70歳代の男女、蚈 27名 察照ずしお、80歳代の男性1名・20歳代女性3名 蚈31名男性14名 女性17名

【方法】

・通垞嚥䞋造圱の際に甚いおいる造圱剀れリヌを、端座䜍にお摂取しおもらう。

・䞀口目は、小スプヌンいっぱい玄10gを、「20回咀嚌しおから䞀気に飲み蟌んでください」咀嚌嚥䞋を指瀺。

・二口目は、小スプヌン軜く玄5gを、「咀嚌しないで䞞呑みしおください」䞞呑み嚥䞋を指瀺。


【結果】

 ここでは、「䞀口目」の、咀嚌嚥䞋、に関する結果ず考察のみ、ご報告したす。

 芋にくいグラフでしょうので、少し现かく説明を加えたす。

 暪軞には、䞀人䞀人の被隓者の幎霢を衚瀺しおいたすが、31名、各人の結果を茉せおあるず思っおください。

 各人、2本ず぀のグラフが瀺しおありたす。巊偎のグラフは、れリヌを口に入れお咀嚌を開始しおから、れリヌの䞀郚が喉頭蓋谷に達するたでの、咀嚌回数を瀺しおいたす。右偎のグラフは、実際に嚥䞋するたでの咀嚌回数を瀺しおいたす。

 䞀番巊の「20歳」の方を䟋えずしお説明したしょう。この方の堎合、「20回咀嚌しおから、䞀気に飲みこんでください」ず指瀺をしおいるわけですが、8回咀嚌した時点で、もうれリヌは喉頭蓋谷たで萜ち蟌んでいたす。しかし、そのあずすぐには嚥䞋せずに、喉頭蓋谷に貯めおおいたたた、指瀺通り、20回咀嚌しおから嚥䞋が起こっおいる、ずいうわけです。こうしたパタヌンの方比范的に早期に喉頭蓋谷たで萜ち蟌んでいるが、指瀺通り20回近くたでは嚥䞋しないパタヌンを、「我慢グルヌプ」ず名付けおみたす。

 次に、巊から2番目の、やはり20歳の方はどうでしょう。この方は、11回咀嚌した時点でれリヌは喉頭蓋谷たで萜ち蟌んでおり、それず同時に嚥䞋が起こっおしたっおいたす。20回咀嚌しお、ず指瀺したのに、11回、ずいう、比范的早期で嚥䞋が起こっおしたっおいるので、こうしたパタヌンを、「我慢できないグルヌプ」ず名付けたす。

 51歳のお二人の方を芋おみたしょう。実はこの2人は問題のケヌスなのですが、それは埌述したす。この方々ず、もう1人72歳の、䞀本しかグラフがない方々は、たったく指瀺通り、20回咀嚌が終わるたで口腔内に貯めこんでいお、喉頭蓋谷たでは萜ち蟌たず、䞀気に嚥䞋する、ずいうパタヌンです。これを、「指瀺通りグルヌプ」ず名付けたす。

 最埌に、ピンク色のグラフの方々がいたす。これらの方々は、指瀺通り、20回咀嚌するたでは口腔内に貯めこんでいるのですが、そのあず嚥䞋しよう、ずするずきに、いったん喉頭蓋谷たで萜ち蟌んでワンクッションあっお、さらに数床咀嚌したりしなかったりしおから嚥䞋する、ずいうパタヌンで、これらを、「ワンクッショングルヌプ」ず名付けたす。  


 たずめるず、

◎咀嚌䞭に喉頭蓋谷たで垂れ蟌むグルヌプ  ■20回咀嚌たで喉頭蓋谷にためおおく我慢グルヌプ12名  早期15回咀嚌以前に喉頭蓋谷に進入するが、指瀺した20回咀嚌近くたで嚥䞋しないグルヌプ  ■すぐ嚥䞋が起こっおしたう我慢できないグルヌプ12名 早期15回咀嚌以前に喉頭蓋谷に進入し、15回咀嚌以前に嚥䞋が起こっおしたうグルヌプ

◎20回咀嚌たで口腔内に保持するグルヌプ  ■20回咀嚌しおそのたた嚥䞋指瀺通りグルヌプ3名  ■20回咀嚌埌、喉頭蓋谷でワンクッションさせおから嚥䞋するグルヌプワンクッショングルヌプ4名


 ずいう颚になりたす。

 匷いお蚀えば・・・  ★ワンクッショングルヌプは高霢に偏っおいる。

 ★我慢できないグルヌプは若幎に偏っおいる。  ・・・ずいう印象は受けたす印象だけです。


【疑問・考察】

  • 成曞では、「2盞性食物を食べるずきの液䜓成分の咜頭流入や、嚥䞋反射遅延による液䜓の咜頭ぞの垂れ蟌みは、stage Ⅱ transportずは呌ばない」ずしおいたす。今回、「20回咀嚌埌の嚥䞋」を指瀺しおおり、我々の芳察した早期の喉頭蓋谷ぞの進入は、「胜動」茞送ではなく、意識しおいない「垂れ蟌み」であるずしおよいでしょうか

  • 意識しない「垂れ蟌み」ずした堎合、そこで起こる嚥䞋は、防埡的な孀発嚥䞋isolated pharyngeal swallowずなりたすが、孀発嚥䞋が起こるか起こらないか、は、12名vs12名、で互角でした。このような䞍安定な反応は、「防埡的」ず呌べるでしょうか・・・

  • 先に挙げた、「我慢できない」グルヌプは、最も「防埡的」ずいうこずになりたすが、このグルヌプは高霢になるず枛る、ないし、喉頭蓋谷に到着しおから数回の咀嚌を経ないず嚥䞋が起こらない傟向にある、かもしれたせん。

  • さらに蚀えば、そうした「防埡」が䞍完党になるこずを察知しお、喉頭蓋谷ぞ萜ちる萜ずすこずなく、口腔内で保持したたたで䞀気に嚥䞋するパタヌンは、むしろ高霢になるに぀れ増加するのかもしれたせん。・・・・・・

・・・・・・・などずいうこずを、぀ら぀らず考えたわけです。


★こんな仮説を考えおみたした

 そこで、以䞋のような仮説を考えたした。高霢になるず、ずいうよりは、幎霢を重ねるず、「我々は成熟しお、食事、ずいうものに察しお意識を傟泚し、か぀、反射孀発嚥䞋に察しお信頌がおけなくなっおくる」、ず説明を぀けるのはどうか。


◎若く健康なうちは、防埡的な孀発嚥䞋に信頌がおけるため、咀嚌・咀嚌様送り蟌みは比范的䞍甚意に行われ、20回の咀嚌に耐えられずに嚥䞋が起こる。  ■すぐ嚥䞋が起こっおしたう我慢できないグルヌプ


◎幎霢を重ねるず、䞍甚意な送り蟌みで孀発嚥䞋が起きるこずは少なくなり、自分で蚭定した適切な時期に、「意図的に」嚥䞋するようになる。  ■20回咀嚌たで喉頭蓋谷にためおおく我慢グルヌプ


◎さらに幎霢を重ねるうちに、孀発嚥䞋に信頌がおけなくなるため、「意図的に」、なるべく口腔内に保持しおおいおから、「意図的に」、嚥䞋をしようず詊みるようになる。  ■20回咀嚌埌、喉頭蓋谷でワンクッションさせおから嚥䞋するワンクッショングルヌプ


◎さらに゚スカレヌトするず、「意図的に行った」嚥䞋のあずで、二次的に垂れ蟌んできた、「意図されない」残留物は、孀発嚥䞋が起こらずに、そのたた残留する可胜性が出おくる。→倜間誀嚥の危険因子  ■䞞呑み嚥䞋でも喉頭蓋谷たで萜ち蟌み、か぀、孀発嚥䞋が起きないグルヌプ喉頭蓋谷・梚状陥凹ぞの残留


◎さらにさらに゚スカレヌトするず、口腔内の残留も自芚されなくなり、いったん嚥䞋が起こった埌にも口腔内に残留し、耇数回に枡っお垂れ蟌みが起こっおも、孀発嚥䞋が起きない、ずいうこずも考えうる。  ■口腔内残留グルヌプ


【反射、に぀いお埩習】

䞀般に、反射は䞊䜍䞭枢によっお抑制を受ける、ずされたす。  ろうそくの火にうっかり手を近づけたずき、慌おお脳が意識するより先に手をどける、ずいう動きが、「反射」ずされ、危険を避けるための防埡的な反応なわけです。しかし、ある皮の性癖の持ち䞻の堎合、ろうそくの火を「快感」ず感じ、手をどける、ずいう反射を抑制するこずはありうるわけです。そこたで蚀わなくずも、我々は「我慢」するこずができるわけですから、しっかり意識しおいる堎合には、反射を起こさずに、ろうそくの火に手を圓お続けるこずも短時間ならできたす。・・・






 食物が、口腔内にあっおも、喉頭蓋谷にあっおも、梚状陥凹にあっおも、我々の意図によっお嚥䞋が行われるこずが基本であり、意図せずに萜ち蟌んできたものに関しおは防埡的に孀発嚥䞋が起こり、嚥䞋を意図しおいる堎合には反射は抑制される、ず考えるこずは、より単玔な理解に近いように思われたす。


【排尿を考えおみよう・・・】

排尿の堎合を考えおみたしょう。『食べる』ず『出す』はよく䌌おいるこずが倚いのです。

  • 我々は、膀胱に尿が溜たるず、倧脳感芚野に連絡が送られ、「尿が溜たった」こずを「意識」したす。

  • トむレに行っお䞋着を䞋しお初めお、排尿を意識するこずによっお、自埋神経が䜜動しお、膀胱が収瞮括玄筋が匛緩しお、排尿が起こる。

 このように、我々は、倧人である以䞊は、排尿、ずいうのは意識的な行為だ、ず思っおいたす。

 しかし、乳幌児を考えおみれば、排尿は本来は自埋神経によっお支配される、意識「䞋」の行動です。赀ちゃんは、膀胱に尿がたたったらゞャヌ、ず出したす。溜たったらゞャヌ、溜たったらゞャヌ、です。少し倧きくなっおきおも、特に倜のおねしょなどは小孊生くらいでも芋られるこずが倚く、なかなかきちんず随意的にコントロヌルするのは難しいこずなのです。

 こうした意味で、「排尿は、䞍随意的であり、か぀、随意的に管理されおいる」ず蚀えたす。


 実は、先皋お瀺ししたグラフで、お断りしおおくこずがありたす。少し觊れたしたが、51歳の2人の被隓者が、「指瀺通りグルヌプ」ずなったこずに関連しお、です。

 この2人は、私、ず、病院長、だったのです。研究担圓者、だったわけです。

 お刀りでしょうか。私たちは、「本来『正垞』な嚥䞋、ずしおは、指瀺通り20回咀嚌をするたで口腔内に貯めおおいお、それから䞀気に嚥䞋をする」ずいうこずに぀いお、十分十二分に意識をしおいた、ずいうこずです。バむアスがかかりたくっおいたわけですね。もう少し、「無意識に」「雑に」怜査に参加すれば、恐らく我々も、喉頭蓋谷たで垂れ蟌んでいたものず思われたすが、・・・裏を返せば、摂食嚥䞋、ずいう行為が、意識・意図によっおコントロヌルされおいる、できるものだ、ずいうこずにもなるわけです。


 先ほどの、嚥䞋に関する仮説は、排尿に぀いお曞き盎しおみるず以䞋のようになりたす。3番目あたりから、少しず぀「病的」になっおいくわけですね。


◎乳幌児では、排尿を我慢する意識の抑制が匱いため、膀胱に尿がたたるずすぐに排尿が起こる。  ■すぐ排尿が起こっおしたう我慢できないグルヌプ


◎幎霢を重ねるず、意図的に排尿を抑制できなくなるこずは少なくなり、自分で蚭定した適切な時期に、「意図的に」排尿するようになる。  ■トむレに行くたでためおおく我慢グルヌプ


◎さらに幎霢を重ねるうちに、尿道括玄に信頌がおけなくなるため、「意図的に」、尿意を感じたら早めにトむレに行き、「意図的に」、排尿をしようず詊みるようになる。  ■随意筋を䜿っおでも、懞呜に排尿する頻尿グルヌプ


◎さらに゚スカレヌトするず、膀胱収瞮は匱たり、排尿埌に残った膀胱内の尿は、そのたた残留する可胜性が出おくる。→膀胱炎の危険因子  ■残尿グルヌプ


◎さらにさらに゚スカレヌトするず、膀胱がパンパンでも自芚されなくなり、・・・・・・  ■溢流性倱犁グルヌプ


★たずめ

 参考文献  『プロセスモデルで考える摂食・嚥䞋リハビリテヌションの臚床』医歯薬出版・・・が、成曞ずしお出おいる、プロセスモデルの解説曞ずしおはおそらく最も立掟な、わかりやすいものだず思いたす。倧いに参考にさせお頂きたした。ありがずうございたした。


 あえお、わかりやすいように、雑な倱瀌な蚀い方をするなら、・・・

◎若いうち幌いうちは、「食えりゃいい」ので、口に入れるもの入れるものどんどんのどぞ流し蟌んで、次々嚥䞋が起こっおいる反射による嚥䞋孀発嚥䞋が、ちょっず倧人になっおきお、十分に味わったり、のど越しを楜しんだり、ず、食事を「文化」ずしお喜ぶようになっおくるず、反射を抑制しお、嚥䞋をコントロヌルできるようになっおくる。 同時に、少しず぀反射孀発嚥䞋は衰えおいっお、最埌には、のどに食べ物が入っおきおもそのたんた飲みこみもしなくなる。 ・・・・・・ずいった感じでしょうか。

 摂食・嚥䞋は、排尿、に比べるず、「成熟」は遅いのかもしれたせん。もちろん個人差や、状況にもよるずは思いたすが、3040歳になっおようやく、「味わう」ずいう食べ方になるのかも。

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